ここ最近HSPという言葉をよく耳にするようになりました。
勘違いしてはいけませんが、HSPとは病気の名前ではありません。
HSPとは、Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略称であり、『生まれつき繊細で感受性が強く敏感な気質を持った人』のことです。
HSPは生まれつきの性格のようなものであり、決して特別なことではありません。
実際に5人に1人(20%)程度の割合でHSPの性質を持った人がいると言われており、あなたの周りにもHSPの人は存在するでしょう。
HSPの人は『空気を読む』のが得意で、人の考えていることを敏感に察知します。
他人の小さな変化や、ささいな言葉や行動から、さまざまな情報を読み取り、相手がしてほしいことや相手が考えていることを読み取る能力を持っています。
しかし、環境から大量の情報を取り入れているため、疲れやすく精神的に弱ってしまいやすい傾向にあります。
今回はそんなHSPの人の個性を解説しながら、HSPのチェックリストを紹介します。
空気を読みすぎて生き辛さを感じている人は、ぜひチェックしてみて下さい。
*本記事内ではHSP以外の人を『普通の人』と表現させていただきますが、HSPが異常だということではありません。むしろHSPの人は『普通ではない優れた能力がある』とお考え下さい。
HSPのメリット
HSPの人は周りの状況を読み取る能力に長けており、ビジネスなどで役立つ多くのメリット(アドバンテージ)をもっています。
HSPはもともとの性格(先天的な性格)で定義されるため、どれだけ願っても、HSPではない人がHSPのように生きることはできません。
だからこそ、HSPの人はまず、『自分はギフトを与えられている』と考えることが大切です。
HSPのネガティブな側面が注目されがちですが、決してそんなことはありません。
空気・状況が読める
HSPの最大のメリットが『状況把握能力』です。
相手がなにを望んでいるのか、スムーズに作業を行うためにはどうすればよいのか、周りの状況や環境から最適なアクションを導き出す能力に長けています。
そのため、多くタスクを効率的にこなす能力があります。
共感しやすい
HSPの人は相手と共感しやすいという特性があります。
ドラマや小説などに感情移入しやすいだけではなく、友人や家族が悩んでいると、その悩みを自分のことのように考えることができます。
繊細な作業が可能
HSPの人は繊細な作業やクリエイティブな作業に向いています。
普通の人が気が付かないような些細な部分にこだわることができ、より良い物やサービスを生み出す能力があります。
アーティストやクリエイターなど、繊細なものづくりができる仕事で力を発揮できます。
HSPにはメリットが多いが…
このように、HSPには非常に多くのメリットがあります。
自分のメリットや強みを理解し、自分の能力を発揮できる仕事についているHSPの人は、普通の人以上の成果を上げることができるでしょう。
しかし、このような特性があるからこそ、外部からの刺激を強く受けすぎて、疲れやすく、他人に合わせてしまい、心が傷つきやすいというのも事実です。
人の顔色を伺いすぎてしまったり、集団の中で一緒に働くことができなかったり、自分が理解されないと感じてしまったり…
HSPの人は生き辛さを感じやすい傾向があります。
まずは自分自身にHSPの特性があるかをチェックしてみましょう。
HSPのチェック項目
- 自分をとりまく環境の微妙な変化によく気づくほうだ
- 他人の気分に左右される
- 痛みにとても敏感である
- 忙しい日々が続くと、ベッドや暗い部屋などプライバシーが得られ、刺激から逃れられる場所にひきこもりたくなる
- カフェインに敏感に反応する
- 明るい光や強い匂い、ざらざらした布地、サイレンの音などに圧倒されやすい
- 豊かな想像力を持ち、空想に耽(ふけ)りやすい
- 騒音に悩まされやすい
- 美術や音楽に深く心動かされる
- とても良心的である
- すぐにびっくりする(仰天する)
- 短期間にたくさんのことをしなければならない時、混乱してしまう
- 人が何かで不快な思いをしているとき、どうすれば快適になるかすぐに気づく
(たとえば電灯の明るさを調節する、席を替えるなど)
- 一度にたくさんのことを頼まれるがイヤだ
- ミスをしたり、物を忘れたりしないようにいつも気をつける
- 暴力的な映画やテレビ番組は見ないようにしている
- あまりにもたくさんのことが自分のまわりで起こっていると、不快になり、神経が高ぶる
- 空腹になると、集中できないとか気分が悪くなるといった強い反応が起こる
- 生活に変化があると混乱する
- デリケートな香りや味、音、音楽などを好む
- 動揺するような状況を避けることを、普段の生活で最優先している
- 仕事をする時、競争させられたり、観察されていると、緊張し、いつもの実力を発揮できなくなる
- 子供のころ、親や教師は自分のことを「敏感だ」 とか 「内気だ」 と思っていた
参考)エレイン・N・アーロン [著]・冨田香里 [訳] 講談社 / ソフトバンク文庫
上記の23項目のうちで、12個以上に該当した場合は、HSPの気質があるとされています。
また、当てはまるものが多いほど、HSPの度合いも高いとされます。
あなたはいかがでしたか?
HSPは生き辛い性格ではありますが、自分の特性を理解することで、非常に素晴らしい人生を送ることができます。