現代では、自律神経の乱れに悩まされる人が急増しています。
交感神経と副交感神経のバランスが乱れることで自律神経が乱れると、体に様々な症状が現れます。
「神経性胃炎」に「過敏性腸症候群」、「うつ」「パニック障害」「アトピー」「メニエール病」「過呼吸症候群」といった疾患の他にも、頭痛やめまい、倦怠感といった症状が出る人もいます。
また、イライラや不安、不眠などといった弊害が起こる可能性もあります。
実はそんな「自律神経の乱れ」は、「腸内環境を整えることで改善させることができる」のです。
そう、「腸と自律神経」には、繋がりがあるのです。
この記事では、そんな「腸と自律神経の繋がり」について解説していきたいと思います。
腸と自律神経の関係
「腸と自律神経が繋がっている」
そう聞いて「まさか」と思う人も多いのではないでしょうか?
一見関係のなさそうに思える「腸と脳」ですが、最近では腸から脳に影響が及ぶ「脳腸相関」という関係であるということがわかってきています。
例えば、下痢や便秘、腹痛などの症状が現れる「過敏性腸症候群」はストレスが原因だと考えられていましたが、実際には腸の不調が先に起こり、脳にストレスを与えていると言われています。
自律神経が乱れれば腸の拡張や収縮のバランスが乱れ、便秘を解消するなど腸内の環境を整えることができると自律神経のバランスも整うのです。
このように、意外にも腸と自律神経は深く関わっており、このことを理解していれば、症状の悪化を防ぐだけでなく、「症状を発症させない健康な体」を手に入れることができるのです。
第二の脳と言われる腸の凄さ
腸が「第二の脳」と言われていることをご存じでしょうか?
なぜ腸が第二の脳と呼ばれているのかというと、「腸自体が独自の神経系を持っており、脳からの指令がなくても働くことができる」からです。
人間の動きはすべて脳からの指令であるという一般的な認識は、実は間違いなのです。
大多数の動物は、脳から形成されるのではなく「腸から形成される」というのもまた驚きですよね。
また、腸には体の中の免疫細胞の70%が存在していて、体内に入ってきた細菌やウイルスの撃退に大きく貢献しているのです。
腸の免疫力を高めれば、自律神経も整う
近年では毎朝ヨーグルトを食べて腸を整えている人が多くなりましたが、これは腸内環境を良くするためには非常に重要なルーティーンです。
ヨーグルトに含まれる「乳酸菌」は腸内の善玉菌を増やしてくれるので、腸内環境を良くしてくれますし、悪玉菌の働きも抑えてくれるのです。
腸内環境が良くなると免疫細胞が活発に働くようになるので、免疫力を向上させてくれるのです。
ちなみに、同じ種類のヨーグルトを食べ続けるのではなく、2週間サイクルでいろいろな菌を摂取する方がより免疫力が向上します。
他にも、「朝起きたら必ずコップ1杯の水を飲む」「必ず毎日朝食を食べる」「オリーブオイルを食事に取り入れる」といった方法も元気な腸を維持するためには効果的です。
また、最近では「腸の動きを良くするエクササイズ」なども行う人が増えてきています。
そして、ヨーグルト以外の「腸の働きを良くする食べ物」を積極的に摂取するのも忘れてはいけません。
キムチやぬか漬け、納豆、チーズなどを毎日の食事に取り入れることで、確実に腸内環境を良くすることができるはずです。
自律神経を整える方法
前記したような腸内環境を整える方法を継続すれば、自律神経にも良い影響を与えることができます。
そして、腸と自律神経は繋がっているので、自律神経を直接改善することができれば、腸内の環境にも良い影響を与えることができます。
自律神経を整える方法でおすすめなのは、「4と8の呼吸法」です。
ストレスを感じているときは呼吸が早くなってしまうので、「4秒かけて息を吸い、8秒かけて息を吐く」ことで自律神経を整えることができるのです。
他にも、「毎日朝外に出て朝日を浴びる」のもおすすめです。
朝日を浴びることで、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」が分泌され、目覚めを良くし、その日をエネルギッシュに過ごすことができるようになります。
また、「笑顔を意識する」ことも自律神経を整える為には有効です。
笑顔になるということは、口角が上がる状態になるということ。
口角が上がると、副交感神経が刺激されて自律神経を整えることができるのです。
更に、「話すスピードをいつもより遅くする」ことで自然と深い呼吸ができるので副交感神経を優位にできますし、ウォーキングやジョギングといった「定期的な軽めの運動を心掛ける」ことで血液や酸素を体中に行き渡らせることができるのです。
まとめ
今回は、腸と自律神経の繋がりについて解説してきました。
腸内環境が悪くなると自律神経の乱れにも繋がり、自律神経の乱れは腸内にも悪影響を与えます。
一見、関りがないように思える「腸と自律神経」ですが、非常に深い関わりがあることがお分かりいただけたかと思います。
まさに、「心と体は繋がっている」ということです。
ぜひこの事実をしっかりと理解して、自身の健康に役立てていただければ幸いです。