子供は大人よりも精神的に未発達であり物事に対する耐性も高くないので、親のちょっとした言葉や態度が心の傷となったしまうこともあります。
親なら誰しも、「今日は怒りすぎてしまったな」と後になって反省したことがあるのではないでしょうか?
大人と同じように、子供も「心と体が繋がっている」わけですから、心が傷つけば体に様々な症状が出てきてしまうものです。
また、親として子供の生活習慣の乱れを正すことができないと、体の不調から心の不調に繋がってしまうこともあります。
親としては、日々の生活の中における「子供への言動や態度」に注意しなければならないのです。
この記事では、そんな「子供への接し方の大切さ」について解説していきたいと思います。
現代の子供の体と心の悩み
現代の子供は、10人に4人が生活習慣病もしくは生活習慣病の予備軍だと言われています。
- 高脂血症
- 耳鳴りを感じる
- 糖尿病
- 高血圧
- 肥満
- 不眠症
- 頭痛
というような症状を患っている子供も多く、深刻な問題となりつつあります。
単純に飽食の時代だからという理由もありますが、ストレスを感じることが多い現代社会の生きにくさも原因となっているはずです。
叱りすぎると子供の脳に悪影響を及ぼす
人間は、自分自身も他人も「コントロールしている」という感覚を味わうことで幸福感を感じる生き物です。
子供は未成熟であるがゆえに、大人の言うことを聞いてくれないことも多く、ミスもしますので、大人にとっては「コントロールできない存在」です。
コントロールできず幸福度が下がってしまうので、ついイライラして強く叱ってしまうのです。
しかし、最近になって、「叱りすぎると子供の脳に悪影響を及ぼす」ということがわかってきました。
具体的には、側頭葉にある「聴覚野」の容積の一部が大きくなってしまい、聴覚に障害が出たり、知能や理解力の発達にも影響してしまうのです。
日本人の子供の5人に1人は「HSC」の特性がある
「HSC」という言葉を聞いたことはありませんか?
これは、「ハイリー・センシティブ・チャイルド」の略で、「刺激に敏感」「周りの影響を受けやすい」という特性を持つ子供の事を指します。
HSCの特性を持つ子供は、音やにおい、光などに過剰に反応してしまいます。
他にも、皮膚の感覚が過敏で、洋服の縫い目などに肌が当たるだけで非常に嫌がったりします。
そして何より難しいのが、「人の気持ちがわかりすぎてしまう」という点です。
親も一人の人間ですから、疲れやストレスによる苛立ちなどを抱えていることもありますよね。
HSCの子供は、そういった「親の感情」を必要以上に感じ取ってしまう傾向があり、それが原因となり体調を崩してしまうこともあるのです。
まさに「心と体が繋がっている」ことを証明していますが、なんとこのHSCは、「日本人の子供の5人に1人」が強弱はあれど特性を持っていると言われているのです。
もしも自分の子供がHSCの特性があるのかもしれないと思ったとしたならば、親として「子供への接し方」を再考してみる必要性があると言えるでしょう。
子供への接し方
前記したHSCの子供だけでなく、すべての子供に対しても親がしっかりと子供に対する接し方を意識する必要があります。
例えば
子供の気持ちに寄り添う
大好きな親に「頑張ったね」「辛いね」「嫌だったね」と言われるだけでも、子供の心は軽くなるものです。
次に同じような状況になった時はどうしたら良いのかをアドバイスするのも親としての重要な仕事です。
更に、「どうしても辛くなってしまったら遠慮せずに頼ってね」と言うことで、「逃げ道」を作ってあげることも重要です。
大人の感覚で子供に接しない
大人が子供を叱る時のセリフでよくあるのが、「なんでこんなこともできないの?」という言葉。
大人としては、社会の中でできて当たり前の(できなければならない)ことができていない子供に苛立ちを感じてしまい言ってしまう言葉ですが、子供にとっては「できて当たり前」ではないケースが多かったりします。
特に幼児や小学生くらいの子供は、まだ脳の発達が十分ではない為、大人よりも圧倒的に「できないこと」が多いのです。
決まった時間に起きることも、決まった時間までに用意することも、物事を逆算して行動することも、決められた時間にゲームや遊びをやめることも、大人のようにはできないものです。
「大人の感覚」をそのまま子供に当てはめようとするから、必要以上に叱ってしまうのです。
「なぜそれがだめなのか?」「どうすれば良いのか?」といった原因と改善策をしっかりと提示し、グッとこらえながら少しずつできるようになるのを見守ることが必要です。
子供に接する際に「感情」を伝える
子供と接する際に、言葉だけでやり取りをしようとする親は多いものです。
「○○したらダメ」「○○って言ったでしょ?」というように、結論だけを伝えてしまう傾向にあります。
しかし、子供に学んでもらったり、ストレスを与えない為にも、「感情を付け加えながら接する」ことが重要です。
「○○したら相手の人が悲しい思いをするからダメだよ」「○○してくれてありがとう。ママ凄く嬉しいよ」というように、感情を付け加えるだけで印象が大きく変わってくるのです
まとめ
今回は、子供への接し方の大切さについてお話してきました。
心と体は繋がっているので、子供への接し方が悪いと、精神面だけでなく体への悪影響も出てきてしまうものです。
「子供の気持ちに寄り添う」「大人の感覚で接しない」「接する際に感情を伝える」といったことを意識して、我が子の心も体も健康にしていきましょう。