ゲーム依存からの体調不良の原因とは
伝えたいこと

次々に魅力的なゲームが発売され、オンラインで世界中の人と繋がりながら楽しめることから、ここ数年でゲームにハマる人が急増しています。
子供はもちろん、大人までハマってしまうその魅力は計り知れません。
しかし、そんなゲームが引き起こす「ゲーム依存」が、現在社会的な問題となっているのです。
重度になると寝ている時間以外はずっとゲームをしているなんていう人もいたりします。
「ゲーム依存」がなぜこんなにも問題になっているかと言うと、「体調不良など様々な弊害を引き起こしてしまう」からです。
この記事では、そんな「ゲーム依存からの体調不良や原因と対策」について解説していきたいと思います。
WHO(世界保健機構)も認定する「ゲーム依存症」
2018年6月WHO(世界保健機関)が発表した声明に、世界中の人が驚きました。
なんと「ゲーム依存症」を病気として認定したのです。
それまで、ゲームを長時間行っている人を、「ただのゲーム好き」と認識していたものが、病気となったことで、本格的に問題視されるようになってきています。
ゲーム依存と同じように、インターネットに依存する「ネット廃人」という言葉も同時に注目されており、デジタルへの依存をしすぎないことが重要だという認識となってきているのです。
「ゲーム依存」は、ギャンブル依存症などと同じ精神疾患と位置付け、精神疾患とされています。
日本ではオンラインゲームを含めた病的なネット依存が疑われる中高生が推計93万人過去5年間で倍増していて、韓国では2002年にゲームのやり過ぎによる死亡事故が起きたほどです。
このように、ゲーム依存は各国で社会問題となってきているのです。
ゲーム依存症の主な症状としては、
- ゲームする時間や頻度を自ら制御できない。
- ゲームを最優先にする。(場合によっては食事を抜いたり、睡眠時間を削ってでも行う)
- 体調不良等の問題が起きているのに続けてしまう。
というようなことが挙げられます。
ゲーム依存になってしまう原因
なぜ人間がこんなにも簡単に「ゲーム依存症」になってしまうのかというと、「ドーパミン」が深く関係しています。
ドーパミンは、興奮時に分泌される物質で、名前を聞いたことがあるという人も多いかと思います。
ゲームを楽しむことで多くのドーパミンが分泌されますが、同時に「ドーパミンレセプター(受容体)」と呼ばれるドーパミンをキャッチして結合する受け皿が壊れてしまうため、正常な判断ができない廃人のような状態となってしまうのです。
また、一昔前と違って現在のゲームは「完結しないゲーム」が非常に増えてきています。
昔であれば、ラスボスを倒してエンディングという流れのゲームが多かったのですが、現在はオンラインで次々に新しい情報が更新され、延々に楽しむことができる形式のゲームが増えているのです。
そしてもう一つの原因として考えられるのが、「オンラインで世界中と繋がれる」ということ。
一昔前では、「ゲーム=一人で黙々と」「ゲーム=家に友達を呼んで一緒に楽しむ」という形式だったものが、家でイヤホンマイクを装着し世界中の人々と繋がりゲームを楽しむことができるようになったのです。
体は家の中に存在しますが、意識はオンライン上に存在しているので、なかなか現実世界に戻ることができないのです。
見出し:ゲーム依存になるとどんな症状が現れる?
ゲーム依存症になってしまうと、身体の様々な部分に症状が現れます。
例えば、
- 視力低下(長時間画面を見続けることが原因)
- 肺活量減少(ゲームに没頭し運動量が減ることから)
- 不眠症(ゲームにのめり込んでしまい、周りが見えなくなり夜中までやり続けることで、脳が興奮状態になり眠れなくなる。)
- イライラ感(前記したドーパミンレセプターの破壊によってイライラ感が増す)
- 集中力や注意力の低下で学力の低下に繋がる。
- 同じ姿勢で長時間いる事で、首や肩に痛みが出る。
- 身体が疲れやすくなる。
- 運動不足から成人病になり、太りやすくなる。
- 骨密度の低下
というような症状が現れます。
1日1時間程度のゲームであればこのような症状が現れることはほとんどありませんが、ゲームにハマりすぎてしまうとこのような症状が一気に体を襲うのです。
ゲーム依存症対策
例えば自分の家族がゲーム依存だと確信したら、本人としっかり話し合い「ゲーム依存であるということを本人に自覚させること」が重要です。
大抵の場合、この段階までは持っていけるのですが、ここから「様子を見る」という選択肢を選んでしまう人が多かったりします。
ゲーム依存は立派な病気ですから、様子を見ていてはまず改善できません。
医療機関や支援機関を活用し、適切な治療を行う事もとても大事な事です。
体調が改善されてきたら、「依存することの怖さ」や「ゲームをやめることで得られるメリット」を理解してもらったり、「物理的な使用制限」などを行うことでゲーム依存からの脱却ができるようになります。
まとめ
今回は、ゲーム依存からの体調不良や原因と対策について解説してきました。
WHOが認定している通り、ゲーム依存はれっきとした病気です。
そして、ゲーム依存症になってしまうと、不眠症や骨密度の低下、イライラしやすいといった様々な症状が現れてしまいます。
しっかりとその怖さを理解して、もしも自分自身や家族、友達が「ゲーム依存かな?」と思ったら医療機関や支援機関を活用するようにしましょう。