「骨密度」という言葉を耳にしたことがあるという人は多いかと思いますが、自分の骨密度がどれくらいの数値なのかを把握している人は少ないはずです。
特に若い世代ではあまり気にされることはなく、どちらかと言うと高齢者になってから「骨粗鬆症(骨密度が極端に低い状態)」に気が付くという人も多かったりします。
この「骨粗鬆症」は、寿命を短くしてしまう可能性がある重大な症状であるにもかかわらず、今でもあまり重要視されていないという傾向にあるのです。
実際には、日本で約1,300万人(その中の8割が女性)という非常に多くの人が患う疾患と言われています。
骨密度は普段の生活の中で意識すれば防げる症状なので、日々意識しながら予防することが重要です。
この記事では、そんな「骨密度が低くなる原因と症状、改善方法」についてお話していきたいと思います。
骨密度が低くなる原因
まずは、なぜ骨密度が低下してしまうのかという「原因」を挙げていきましょう。
・過度なダイエット
過度なダイエットを繰り返すと、女性ホルモンの分泌量が減ってしまうのはもちろん、栄養不足によって骨の形成に影響が出てしまいます。
冒頭で若い世代にはあまり気にされないと書きましたが、過度なダイエットをすることの多い若い女性たちは骨密度が低くなってしまう可能性が高く、40歳以降で骨粗鬆症を発症してしまう可能性が非常に高くなってしまうのです。
・運動不足
骨には負荷が掛かると骨自身を強くする仕組みがありますが、運動不足の状態が長く続くことで骨の強化が行われず、徐々に骨密度が低くなってしまうのです。
・塩分の摂りすぎ
一見塩分の摂りすぎと骨密度はあまり関係がないように思えますが、実は密接に関係しています。
塩分を摂りすぎてしまうと、尿中にカルシウムを排出する作用が強くなってしまい、カルシウム不足となり骨密度が低くなってしまうのです。
特に若年層は塩分を摂りすぎてしまう食生活が多い傾向にあるので、注意が必要です。
・アルコールや喫煙の習慣
カルシウムの吸収面から考えると、軽くお酒を飲む程度ではあまり影響はありませんが、飲みすぎてしまうことで体内に吸収されたカルシウムが排泄されてしまうので、骨密度にも影響してきます。
また、たばこは女性ホルモンの働きを低下させてしまうばかりでなく、カルシウムの吸収を妨げてしまう作用もあるので骨密度にとってかなりの悪影響となってしまうのです。
・女性ホルモンの減少
主に加齢によって女性ホルモンは減少していきますが、前記した過度なダイエットなどでも女性ホルモンの分泌は減少してしまいます。
骨密度が下がり、骨粗鬆症になるとどんな症状が現れる?
骨粗鬆症の症状としては、以下のようなことが挙げられます。
背中や腰が曲がる
身長が縮む
骨折しやすくなる
腰や背中に痛みが生まれる
この中でも特に骨折は寝たきりになってしまう可能性が高く、注意が必要です。
腕や指といった箇所が骨折するのであれば、日常生活への支障は最低限で済みますが、太もも(大腿骨)や背骨の骨折は高い確率で寝たきりになってしまうでしょう。
更に、太ももや背骨を骨折してしまうと、5年以内に再度骨折してしまう確率が非常に高くなってしまいます。
骨密度を一定以上に保ったり改善する工夫
骨密度が低いかどうかは、骨密度の検査によって確認することができます。
骨密度検査とは、X線や超音波検査によって骨密度を検査するもので、MD法やDXA法といったいくつかの検査方法が存在します。
自分の骨密度が低い場合や、病院で骨粗鬆症と診断された場合は、早急に治療に取り掛かる必要があります。
骨密度を改善するには、以下の3つの方法があります。
・食事面での改善方法
骨を強くする栄養素と言えば、真っ先に「カルシウム」を思い浮かべる人は多いかと思いますが、「ビタミンD」も同じように必要です。
魚介類はもちろん、大豆製品や乳製品、野菜や海藻類をバランスよく日々摂取しながら、キノコ類などのビタミンDを多く含む食品も積極的に摂取することで改善を促すことができます。
・運動面での改善方法
骨は衝撃を与えることで強くなっていくので、片足立ちやスクワットのような運動を定期的に行い骨を少しずつ強化していきます。
すでに骨粗鬆症を発症していたりふらついて転倒してしまうような人は、必ず手すりなどを使って転倒予防を考慮しながら行うことが重要です。
・お薬による改善方法
近年では、薬による治療で下がってしまった骨密度を上げることが可能となっています。
飲み薬や注射、点滴といった選択肢の中でちゃんと医師と相談しながら取り組んでいく形となります。
まとめ
今回は、骨密度が低くなる原因と症状、改善方法とについて解説してきました。
骨密度が低くなってしまうと、骨折しやすくなったり、腰が曲がったり痛みが生じてしまいます。
骨折の箇所によっては、寝たきりになってしまう可能性もある為、食事面や運動面、薬などによる改善する事が非常に重要なのです。